高齢者が介護になるきっかけのひとつに、脳血管疾患があります。ここでは、脳血管疾患がどのような病気で、具体的にどんな症状があるのか、また、その予防法にはどのようなものがあるかをまとめました。
脳血管疾患は、65歳以上の高齢者だけではありません。40代、50代の現役世代をも襲う恐ろしい疾患でもあります。最悪の場合、命を落とす危険性もある大変怖い病気です。
「親には脳血管疾患で介護状態になってほしくない」「自分はまだまだ働きたいから気を付けたい」という方、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
脳血管疾患(脳梗塞・脳出血)
脳血管疾患のなかでも、高齢者に多いのが脳梗塞と脳出血です。
脳梗塞は、脳の血管がなんらかの原因によって狭まったり閉塞したりすることで生じます。
脳出血は、脳内の血管が破れることで起こります。場所によって、硬膜下血種やクモ膜下血種などがあります。
一方、一時的に血流が悪くなる「一過性脳虚血発作(TIA)」では、脳梗塞に似た症状が一時的に現れることがあります。
具体的な症状としては、半身に力が入らない、痺れがある、言葉が出ない(失語症)、ろれつが回らない、視野が半分欠けるなど。

急に症状が現れるから、本当に怖い病気だよ。

そうなの?すごく怖いね。一緒にいたら気づくかな。

うん、普段の様子を知ってる人なら分かると思う。もし一過性ですぐに症状がなくなっても、必ず受診すること!

そうですね、必ず受診しましょう。それもなるべく早い時期がいいですよ。
脳出血やくも膜下出血では、そのまま倒れて寝たきりになることも多く、高い介護度が認定され、常時サポートが必要になる場合もあります。
認知症の要因になる場合もある
脳梗塞や脳出血の予後によって、重たい障害が残ってしまったり、認知症の要因になることもあります。これは、脳の機能にダメージが残り、認知症のような症状が出現します。
まだら認知症とも呼ばれますが、認知症ではなく、あくまでも症状を指摘する言葉です。時間帯などによって症状に強弱がでるので、対応するほうもよく状態を理解しておくことが必要となります。
脳血管疾患を防ぐ「脳卒中予防十カ条2025」
公益社団法人 日本脳卒中協会では、「脳卒中予防十カ条2025」というものを掲げているので紹介します。
- 手始めに 高血圧から 治しましょう
- 糖尿病 放っておいたら 悔い残る
- 不整脈 見つかり次第 すぐ受診
- 予防には たばこを止める 意志を持て
- 飲むならば なるべく少なく アルコール
- 高すぎる コレステロールも 見逃すな
- お食事の 塩分・脂肪 控えめに
- 体力に 合った運動 続けよう
- 万病の 引き金になる 太りすぎ
- 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ
引用:公益社団法人 日本脳卒中協会|脳卒中予防十か条2025
高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病による危険因子が、脳卒中の発作を誘因します。健康診断などで上記のような生活習慣病を指摘された方はもちろん、そうでない方も、健康的な生活を送れるよう意識することが予防といえます。

えっ!糖尿病の人も危険なの?お父さんやばいじゃない。

そうよ。糖尿病の人は血管が弱いから、いつ破れるかわからないというリスクがあるよ。お父さんもそのあたりはお医者さんから聞いているとは思うけど。

もしかして、それで激しく動く運動とかしないんじゃないの?食生活は、働いてた頃みたいにカロリー高めのひどい食事とかはしていないけど、相変わらずピザとかお菓子とか好きだから、ちょっと気を付けてもらわないと。

お父さんが運動しないのは、別問題だと思うわ。。。
脳血管疾患を防ぐには
脳血管疾患は生活習慣病とも言われており、日ごろの生活を改めることでリスクを減らせます。
主に以下のようなことに気を付けましょう。
- 適度な運動
- 減塩
- 禁煙
- 適度な飲酒
どれも健康な生活習慣に欠かせないものです。しかし、すべてを一度にやめることは過度にストレスがかかって、リバウンドしてしまう恐れもあります。
まずはたばこの本数を減らす、週に数回休肝日を設けるなど、できることから始めてみてください。
もし親が脳梗塞(脳出血)で倒れたら・・・

もしお父さんが脳出血で倒れてそのあと介護が必要になったら、、、お母さんひとりで大丈夫かな。

割と元気な人だけど、一人じゃ大変よね。円ちゃん行ける?

仕事もあるから、すぐには行けないかもしれないけど、できるだけ早く駆け付けるよ。手続きとか大変だろうから。でも、そのあとどうなるの?もし障がいとか残ってしまったら、お母さん一人じゃ支えられないよ。

そうだよね。円ちゃんも仕事があるから、常時のサポートは難しいよね。私も遠くに住んでるから、何かあってもすぐに行くことはできない。
でもこういうときのために保険があるんだよ。

医療保険?

ううん。介護保険。もし介護が必要になったら、介護保険を積極的に利用しよう。医療保険は入っていれば、入院費用や手術代の補填がきくから、事前に調べておくと安心だね。
脳梗塞や脳出血で入院すると、予後にもよりますが、おおよそ3カ月と考えておきましょう。そうすると、3カ月後には自宅での生活が始まることになりますね。
「もし障害が残ってしまったら、それを支えるのは同居の家族しかいない」そう思っていませんか。そんなことはありません。介護保険を利用しましょう。
対象者が40代以上であれば、介護保険の利用が可能です。また、介護が必要な状態ではない場合なら、医療保険でリハビリなども受けられます。病院のソーシャルワーカーさんが相談窓口になってくれる場合がほとんどなので、まずは相談してみましょう。
まとめ
「もし親が脳梗塞で倒れたらどうしよう」「介護が必要になったらどうすればいいの」と心配する方は多いかと思います。
以前倒れたことがあったり、持病を持っていたりしたらなおさらのこと。
しかし、自分の身体をコントロールするのは自分自身です。日々の生活を振り返り、健康的な日々を過ごすために必要なことを取り入れていきましょう。
また、実際にかかるお金のことやサポート面で家族で話し合っておくことも大切ですよ。
✍️この記事を書いた人
miri
介護福祉士・ケアマネジャーとして10年以上介護現場で勤務。
認知症ケアを中心に多くの利用者やご家族を支援してきました。
このブログでは、介護の経験をもとに、介護や認知症、お金に関する情報を分かりやすくお届けしています。