介護のきっかけとなる心疾患とは。フレイル・サルコペニアについても紹介。

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心疾患は、突然倒れて介護が必要になる、というような病気ではありません。しかし、心疾患の持病を持つ方が介護を意識するうえで、近年よく耳にする「フレイル」や「サルコペニア」は、特に注意したい状態として知られています。

心疾患にはさまざまな病名があり、「心不全」や「心筋梗塞」、「狭心症」や「不整脈」など、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

ここでは、心疾患の各病気の特徴や、「フレイル」「サルコペニア」とは一体何か、心疾患とどのような関係があるかについてもまとめました。

親が心疾患、もしくは自分が心疾患持ちで、介護についてどのように考えればよいか悩んでいるという方はぜひ最後までご覧ください。

介護職として10年以上、認知症介護やケアマネジャーとしての実務経験を積んだ筆者が、実際の現場で感じたことや公的な情報をもとに、初めて介護に向き合う方にも分かりやすくお伝えします。


心疾患とは

心疾患とは、なにかしらの原因によって、心臓の血液の流れが滞って起こる病気です。脈が乱れるもの、心臓の筋肉や膜の病気、生活習慣によって引き起こされるもの、先天性のものなどさまざまな種類があります。

ここでは、中でも高齢者の心疾患として挙げられる下記の4つの病気について解説します。

  • 心不全
  • 狭心症・心筋梗塞
  • 不整脈

心不全

心臓が本来の血液を送り出すポンプの働きがうまくいかなくなることを、心不全と呼びます。主な症状としては、高血圧、足のむくみ、胸痛や息切れ、強い動悸、急激な体重増加など。倦怠感もあります

特に強い胸の痛みや呼吸困難の状態がみられる場合には、早急な受診または救急車を呼びましょう。

症状がつらい場合には、安静にしてベッドに横になり、上半身を30~45度挙上します。早急に受診することをおすすめします。

どうして上半身を少し上げるほうがいいの?血のめぐりが悪いのなら、下半身を上げた方が良さそうだけど。

状態が悪いときに下半身を上げると、全身を巡っていた血液が、心臓へ戻ってくる量が多くなってより心臓に負担を与えることがあるんだって。だから、上半身を少しずつ上げてみて、状態を見ることが大切なんだよ。

狭心症・心筋梗塞

狭心症と心筋梗塞の特徴は、突然しめつけられるような強い胸痛が起こることです。発生部位は、首・背中・腹部など。痛みは継続しますが、各病気で時間が異なるため、見極めにも有効です。

狭心症は1~5分、長くても15分ほど。心筋梗塞は15分以上、冷や汗が出るほどの強い痛みが襲います。

安静状態を保ち、それでも症状が改善しない場合は、救急車を呼びましょう。

急に痛み出したら怖いね!周りにいる人はどうすればいいんだろう?

痛みの状態を見て、安静にできるならしたほうがいいかもだけど、救急車を呼ぶことも大切だよ。心臓は少しでも早く対応できたほうがいいから、痛みがなくなっても受診は必要だから必ず病院に行こうね。

不整脈

不整脈とは、何らかの理由が原因で、心臓の筋肉から送られる電気信号に乱れが生じることで、心臓の拍動のリズムが一時的に不規則になること。不整脈には以下の3つのタイプがあります。

不整脈の種類特徴
頻脈通常(1分間に60~100)よりも脈の回数が早いこと。緊張したり運動したりした後は早くなりがちだが、通常時で140以上ある場合は注意が必要。
徐脈通常より脈がかなり遅いこと。1分間に40以下の場合は危険なので、早急に受診が必要。
期外収縮脈のリズムが一定ではなく、不規則だったり飛んだりする状態のこと。

フレイルとサルコペニアとの関係

介護とは、生活の質(QOL)を高めるためのサービスです。その生活の質を落としてしまう可能性があるものが「フレイル」と「サルコペニア」。

つまり、介護において重要な課題と言っていいでしょう。

ここでは、心疾患における「フレイル」と「サルコペニア」について解説します。それぞれ心疾患のどのような特徴が「フレイル」と「サルコペニア」につながるかをまとめています。

フレイルとは行動力と気力が低下した状態「虚弱」

高齢者はウイルスなどが原因で体調を崩して寝込んでしまったり、転倒や事故などで外傷を負ったりすることがきっかけで寝たきりとなり、介護を必要とする「フレイル」の状態に陥ります。

心不全の状態は、通常でも息苦しさや倦怠感を感じるため、行動範囲が狭まり筋力が低下し、気力が落ち「フレイル」になりやすいです。

また、「フレイル」の状態の方が心不全になると症状の改善が難しいです。寝たきりの場合、内臓機能の低下も起こるため、便秘やむくみ、肌の状態が悪くなるなどさまざまな症状が出現しやすくなります。

そのため、QOLの維持には、早いうちから心疾患への適切な対応が求められます。

サルコペニアは筋力低下のこと

サルコペニアの語源は、ギリシア語の「筋肉(sarco)」と「喪失(penia)」で、この2つの言葉を組み合わせた造語です。

加齢によって体力や筋力の低下に伴う筋肉量の減少は、行動範囲を狭めます。また、病気やケガによる入院によって、サルコペニアになってしまうことも多いでしょう。

心疾患は、安静にすることで症状を落ち着かせる病気です。そのため、活動量や行動量が減少していくことで自然に筋力低下の状態に陥ってしまいます。普段から運動習慣がない方は特にサルコペニアが進行しやすく、寝たきりになる恐れがあるので注意しましょう。

心疾患は日本人の死因要因第2位!

えっ!心臓の病気が死因の1位なの?それだけ日本人には心臓の疾患を持っている方が多いってことだね。

心臓って言うとピンとこないけど、「高血圧」って言われたら、結構身の回りにいるんじゃない?

高血圧って心疾患なの?そしたらお父さんもお母さんもそうだよ。心臓病予備軍ってこと?

そうだね、今はまだ血圧の数値だけ気になっているかもしれないけど、放置していると重篤な心臓の病気になるかもしれない。だから早めの対応や予防が必要なんだよ。

両親が高血圧なら、私もなりそう。早めの予防対策をしっかりしないと!

心疾患の予防法は健康的な生活を心がけること

まだ心疾患にかかっていない方はならないようにすることが大切です。すでに高血圧の治療をしている方や心疾患の方は、これ以上悪くならないように、可能な限り病気の進度を遅くするためにも、生活習慣を今一度見直してみましょう。

生活の見直しには以下のような視点が有効です。

  • 栄養のある食生活
  • 禁煙・禁酒
  • 適度な運動習慣
  • ストレスのない生活

当てはまるものがあれば改善できるように、まずは心がけてみてください。

動脈硬化の危険因子8点

生活習慣の乱れは、身体に大変な影響があります。なかでも狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患と呼ばれる病気の発症原因は、動脈硬化です。

ここでは、動脈硬化の危険因子と呼ばれているポイントを紹介します。

  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 糖尿病
  • 肥満
  • 喫煙
  • 運動不足
  • ストレス

引用:港区西麻布|循環器内科・心臓血管外科| 心臓血管研究所付属病院|心臓病予防-危険因子を知り生活習慣を見直そう!

どれも生活習慣を整えることで、予防や改善が期待できるものばかりです。

加齢や遺伝なども要因には上がるものの、これらは事前に防げません。そのため、生活習慣を見直し、危険因子を作らないようにすることが、心疾患への予防策といえるでしょう。

まとめ

心疾患の恐ろしさは、病気の症状だけではありません。入院や活動量の低下をきっかけに起きるフレイルやサルコペニアから、介護が必要となる原因につながることがあります。

だからこそ大切なのは、介護が必要になってから考えるのではなく、元気なうちから病気を予防し、心身の機能を維持していくことです。

介護は突然始まるものではなく、日々の積み重ねの先にあります。将来も自分らしい生活を続けるために、今できる健康づくりを少しずつ始めていきましょう。

✍️この記事を書いた人

miri

介護福祉士・ケアマネジャーとして10年以上介護現場で勤務。

認知症ケアを中心に多くの利用者やご家族を支援してきました。

このブログでは、介護の経験をもとに、介護や認知症、お金に関する情報を分かりやすくお届けしています。

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